元銀行マンの彼がどんな決断を下すのか知らないが、相談を受けた私は言外に思いきって転職するよう勧めている。仕事への情熱が消えていないということは、それこそが、間違いなく彼の選択すべき道だからだ。もし、不幸にも彼に会社人間的な生き方が染みついていて、子会社にとどまる選択をした場合、二重の悲劇が待っていることにもなりかねない。それは一つに、やりたいことをやらずに会社人生を終わらせる後悔が、事あるごとにチクチクと彼の心をさいなみ続けること。
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もう一つは、かなりの確率で予測されるもっと現実的な悲劇だ。すなわち、いくら大銀行の子会社とはいえ、再編・統合・整理の可能性は大いにある。むしろ銀行の子会社だからこそ、親会社に何かあればすぐに影響を受けることは間違いない。ひるがえって、いまから社会人としての本格的な人生が始まる若い人たちには、これからは会社人間的な生き方は絶対のタブーである、とここに断言しておきたい。