高校は次第に活力を失いつつある。予備校に来る生徒は一様に「高校の先生って疲れている。授業中も要領を得ないときがあって、これで受験に対応できるのか焦る」と言う。一日の登校時から下校時までざっと十時間(家を出るのが朝七時半、帰宅が五時半として)、彼らの「学校生活」の中で通学やクラブ活動は甲子園を目指す球児は別として、せいぜい一〜二時間程度にすぎず大半を占めるのが授業の時間である。最も充実すべき授業時間に対して、「ちっともめりはりがない」というのが生徒の本音であり、予備校への期待を生んでいる。このことは大学に入学しても繰り返されているようで、大学と資格試験のために通う専門学校との関係も、「講義の魅力」に関しては専門学校の側に軍配があかっている。
上手な授業の受け方のコツを、そっと教えよう。まず先生の授業を聞く時は下を向いたり、ノートに何かを書いていたりしてはいけない。まして勉強と関係ないむだ話などは、もってのほかだ。先生が一生懸命解説していることを聞き流すような態度(目を見ればわかる)や、落ち着きがなく、おしゃべりをしながら聞くことは、講義をしている先生に対してとても失礼だということを、親は小さいうちから子どもに教えておいてほしい。塾の講師や学校の教師も人間なので、授業をしているときに生徒が熱心に聞かないと、やる気がうせてしまうものである。良心的な塾の先生は、生徒一人一人の目を見ながら黒板を使って講義をしたり、個別に解説したりしている。だから、授業を受ける生徒も、先生の目をよく見ながら話を聞くようにするのがコツだ。先生の目を見て授業を聞けば情熱が伝わってくるので、自然と、まじめに一生懸命聞くことになる。また教える方も、熱心に聞いている生徒の目から、その気持ちを読み取ることができるから、一層熱心に教えることになる。このようなクラスの雰囲気は、はたから見ていてもとても良いものである。
国公立大学や難関私大の理系や医学部となると、三年生の新学期を機に受験勉強を始めるのでは、かなり厳しいのが現実です。理由は、指摘するまでもありません。受験すべき課目が五教科七科目もある国公立大学の場合、その勉強量は膨大です。五教科七科目を完全に理解し、中には徹底的に暗記しなければいけない科目もあります。そう考えると、一年は短すぎる。国公立を志望するならば、すでに一日の猶予もありません。また数学の配点が高い難関私大の理系に合格するには、数学の克服が絶対条件になります。数学が不得意な人が合格圏内にまで学力を高めるとなると、時間的な条件は国公立と同じといえます。新学期から受験勉強を始め、一年後の受験で理数系の難開校合格を目指すには、文系志望者に比べ不得意な人が多い暗記科目を重視しなければなりません。とくに力を入れてほしいのが数学同様に配点が高い英語。基本をガッチリ固め、得意科目で勝つ要領で、私大文系の三倍の勉強量をこなすことが必要です。現役生は休日も惜しんで受験勉強に傾注することに尽きると思います。