知人が亡くなったという知らせをいただいたとき、「もし、ほかに知らせたい人がいたら連絡してください」という依頼を受けることがあります。しかし、亡くなった方とは長い間音信不通だったというようなとき、はたしてどこまでの範囲の方に連絡したらよいのかとても困ってしまいます。故人との関係がはっきりしている人には、遺族やごく親しい人から直接連絡が行っているはずですから、とっさに思いつく人でなければ知らせる必要はありません。故人とはさらに縁遠い人に、「知った以上は、何かしなくてはいけないのでは」といったプレッシャーを与える必要はありませんし、あとから「なぜ、知らせてくれなかったの」と責められることも、まずないでしょう。もし、すぐに思いつくような人がいても、「とりあえずお知らせします」といったように、淡々と事務的に伝えるのにとどめます。通夜や葬式に誘うような口ぶりは、相手に負担をかけてしまいがちです。
食事は、早い人とおそい人がいますが、ほかの客と食事の歩調を合わせてゆくのが、たいせつなマナーです。早すぎるのはみっともないし、おそすぎても、給仕人の皿かたづけのさまたげになって、宴の進行をおくらせます。主人側は、上位の客に気をつけて、その方の食事の速度に合わせ、先に食べ終わらないようにします。欧米では、ホステスはいつも皿に一口だけ残しておいて、いちばん食べ方のおそい客と調子を合わせるのが食事作法とされています。また、お酒はつがせて飲まないのは失礼になりますから、飲みたくないときは、「けっこうです」と手先のジェスチャーではっきりと断わります。グラスやコップを伏せたりしてはいけません。マナーを守って楽しくお食事をしましょう。
日本では「握手」といって、「手を握る」という表記になっていますか、英語では「shakehands」といい、「手を振る」ということを表現しています。しかも、欧米では「堅く握って手を振る」ということによって、親しさや会えた喜びを表現することになります。ですから、しっかりと手を握り、上下に数回振るのが欧米流のやり方なのです。弱々しく握る握手、手先だけ握る握手は、欧米では「deadfish」(死んだ魚)と呼ばれ、とても嫌われています。ほかにも、日本人のあまり芳しくない握手のしかたの特徴があります。それは、いつまでも握っていることです。好ましくは、二、三秒といった長さでよいのです。長く握手したまま手を放そうとしない態度は、相手に対して失礼にあたります。このほか、立てない状況のとき以外は座ったまま握手しない、片手をポケットに入れたまま握手しない、手袋をしているときは必ず手袋を脱いで握手する、などの注意が必要です。